<無形民俗文化財情報>

<名称>見島のカセドリ(みしまのかせどり)

<種別>国指定重要無形民俗文化財

<公開日>毎年2月の第2土曜日(2018年は2月10日)

<時間>19:00〜22:00

<公開場所>熊野権現社(佐賀市蓮池町大字見島)及び周辺の民家

<駐車場>一般の駐車場は無い。路上駐車はできる。

<トイレ>熊野権現社横の見島公民館にある

<問合せ先>加勢鳥保存会  TEL 0952-97-0769

公開日時は変更になる場合がありますのでご注意ください。
  
 
      
 
<見島のカセドリの内容説明>

 見島のカセドリは、佐賀県佐賀市蓮池町見島に鎮座する熊野権現社及びその周辺の家々で、毎年2月の第2土曜日(元は2月14日)の夜に催され、350年以上も伝承されている小

正月の来訪神の行事である。

 蓮池町一帯は、かつては有明海の干拓地であり、寛永十六年(1639年)に佐賀藩の三支藩の一つである蓮池藩が成立し、初代藩主の鍋島直澄(なべしまなおずみ)によっ

て蓮池城(はすのいけじょう)が整備されたのに伴って開墾が進められ、城下町として栄えるようになった。

しかし、当時は井戸水に海水が混じり、夏になると疫病が絶えなかったという。そのため、藩主直澄が紀州の熊野三所権現を勧請して熊野権現社を建立し、当地の鎮守として祀

ったところ疫病が途絶えたという。それを機に、より一層の加護を祈念して始められたのが、このカセドリ行事であると伝えられている。

カセドリとは、神から使わされた雌雄のつがいのニワトリと考えられており、見島の独身男性2人が藁蓑に身をつつみ、手甲、脚絆、足袋、草鞋、甚八笠を身につけ、顔と頭に

は白布を巻き、目、鼻、口だけを出し、カセドリに扮する。

カセドリの持ち物は、竹である。長さ1.7メートル余りの竹を一方の端のところを2か所縄でしばり、3分の2くらいの長さは細く割られている。

烏居のところに待機していたカセドリは、提灯持ちの合図で、竹を脇にかかえこみ、拝殿に走りこむ。

入り口で両膝をつき体を前にかがめて、竹の割れている方を床面に小刻みに激しく打ちつけ、ガチャガチャと打ち鳴らす。中には3名の長老が羽織姿で座っている。

盃がカセドリの前におかれ酒が注がれると、そのままの姿で飲みほし、また、同じ所作を続ける。謡が始まると、カセドリはそのままの姿勢で休み、終ると再び同じ所作を繰り

返す。謡が三番はいって、最後の所作が終ると、拝殿から出て竹を打ち鳴らしつつ社殿の周りを3周し、再び拝殿の入り口付近でガチャガチャと打ち鳴らし熊野神社の行事が終

わる。

続いて、提灯2名・天狗面2名・御幣1名・カセドリ2名・かごにないの少年数名の順で、地区内の家々を順番に訪れ、その年の家内安全や五穀豊穣などの祈願のため、同様に竹

の先で家の床を打ちつけて悪霊を払う。その後、家人が酒や茶などを振る舞い、カセドリは顔を伏せたままそれに応える。このときにカセドリの顔を見ると幸せになるといわれ

、家人はカセドリに顔を上げさせようと、底の深い器を接待に用いる。

このように来訪神に扮した者が家々を訪れる民俗行事は日本各地に伝わっているが、見島のカセドリは北部九州での同様の行事として、日本人の民間信仰の理解の上で貴重

なものとして注目されている。また、カセドリが竹で悪霊を祓う所作は他の類例がほとんどなく、地域的特色も豊かとされて地域の人々に親しまれている。

<NIA取材記>

 2018年2月10日は、どんよりとした曇り空であった。15時頃に熊野権現社に着いた。境内では旗や幕等の準備を数名の氏子がされていた。神社の右側には見島公民館、また

その右には盛林寺があるが両方の駐車場は関係者の車で満車であった。したがって農道での駐車となった。19時からのスタートとの事、18時まで車中待機とした。

小雨が降ってきた・・・・・・・・・・話し声が聞こえる。ハッとして目を開ける。いつしか寝ていたのである。

そろそろ18時。撮影機材を抱えて熊野権現社の拝殿の中に入った。狭い。12畳ほどであろうか。NHKやケーブルTVのカメラも入っていたが、三脚を立てて無事拝殿での撮

影を終えた。

拝殿内の撮影に際しビデオライトやストロボの使用は禁止された。当然のことと思う。神事はイベントではない。最近のカメラマンのマナーの悪さには憤りを感じる。

見島地区の家回りが始まった。23戸回る。保存会ではカメラ取材できる家を3戸ほど定めている。うち一軒で撮影を行った。「大福帳」というお札を仏間に供えるまでを撮影

させていただいた。

国指定重要無形民俗文化財という認識が保存会にあり、厳格に行われている様子は素晴らしく思う。

私が映像した映像は、NHK佐賀で2018年3月8日に放映された。
                                                                                                                                               記述 2018.4.20  池松卓成