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<無形民俗文化財公開情報>
<名 称> 柳瀬おくんち獅子舞(やなせおくんちししまい)
<種 別> 久留米市指定無形民俗文化財
<公 開 日> 毎年10月9日(変更される可能性あり)
<公開場所> 玉垂命神社(福岡県久留米市田主丸町八幡)境内及び周辺地区
<時 間>
10:00~ 神事(玉垂命神社社殿で)
11:00~ 宮座(柳瀬公民館で)
14:00~ 獅子準備(柳瀬公民館で)
15:00~18:30 獅子、地区廻り
19:00~ 子ども達を加えての堂廻り
19:30~20:00 玉垂命神社での坪舞
<駐 車 場> 芝刈校区公民館駐車場に5台程度(玉垂命神社には駐車不能)
<ト イ レ>芝刈校区公民館にある
<問合せ先> 久留米市文化観光部文化財保護課 TEL0942-30-9225
(注意)公開場所や日時は保存会の都合で変更になる場合があります |
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<NIA取材記>
柳瀬おくんち獅子舞は、2010年10月9日に本番撮影を行った。
9月11日、18日の練習風景の撮影も行った。
練習の撮影は土曜日 の夜8時が常であった。
なぜなら、都市部に住む柳瀬の青年達の仕事の都合もあるのである。
中には、初めての参加の人もあって、 先輩諸氏から特訓を受ける様を撮影できたのは幸いであった。
神社の暗い境内での撮影は、ビデオライトの灯りに惹かれてか、虫たちが集まってきて閉口した。
今回の獅子舞は4年ぶりとなる。
本年も中止とほぼ決定していたが、久留米市の文化財保護課の後押し と、
当方のビデオ撮影が入るということと、9日が土曜日であったことも幸いして、
「是非やりたい」という青年たちの申し出があって実現した。
本番においては、地域住民の生の声を出来るだけ多く収録した。
祭りの復興を喜ぶ声あり、獅子のご利益を語る声ありで、
レ ンズを通してであるが、地域の皆さんの温かい心に触れる事が出来た。
赤鬼や青鬼が割り竹を地面に叩きつけ子ども達を追いかける。
怖さで兄に抱きつく幼女。
その兄と妹のなんともいえない光景は、いつまでも私の脳裏に焼きついている。
鬼さんこちら 手のなる方へ 兄と妹 寄り添って
2010.10.21 池松卓成 記 |
<柳瀬おくんち獅子舞の内容説明>
柳瀬おくんち獅子舞の「おくんち(くんち)」 とは、九州北部において、収穫を感謝して奉納される秋祭りの呼称である。
柳瀬では、「お くんち」を獅子舞によって五穀豊穣、無病息災を願って舞う。
明治初期まで、神楽が奉納されていたようである。
獅子舞は明治時代に入って始まったといわれるが、 1873(明治6)年頃の水害で遷宮前の玉垂神社が流され、詳しい資料は残っていない。
平成元年、後継者がいなくなり獅子舞を止めるということになり、最後の舞を行ったが、
平成2年に当時の地元のソフトボール部員二十数名が決起し、それまで28歳だった年齢制限を、60歳までに広げることで存続させることにした。
その後、国民の祝日移行にともない、日程の調整がつかず、平成12年度の獅子舞は中止した。
平成13年より、従来通り10月9日 に公開されているが、地元の青年の大半が都市部で働き、都市部に住まいがある関係で帰郷できず
平成19,20,21年の3年間は 舞手不足(最低二十名は必要)で中止した。
今回(平成22年/2010年)の獅子舞は4年ぶりとなる。
雌雄一対の獅子頭は木製、漆塗りで重さは各7kg、
胴は、棕櫚皮で編んだ蓑を布で裏打ちし17kgもあり、広げると全長2m、幅1.5 mの大きさとなる。総重量は約30kgである。
獅子頭と胴は、紐で組み付けて使う。
獅子は二人立ち二匹獅子舞で、一人が頭を、もう一人が胴と尻尾を操る。
尻尾が振られ、あたかも生きているような舞い方をする。
「坪舞」と呼ばれる正式の舞は、「普通騎馬」「振り分け騎馬」「走り騎馬」の三種類の舞いをいい、いずれも勇壮、華麗である。
本年の宮座の座元宅と、神社境内で舞う。氏子宅前では、「門付け」と呼ばれる魔祓を行なう。
楽器等は特に用いず、掛け声と手拍子のみで演じられる。
「祝いましょう」の掛け声とともに、手拍子を打ち、獅子頭をカフカフと打ち鳴らす。
この内、区長宅と祝い事のある家では、「普通騎馬」も舞う。
割竹を持った赤鬼・青鬼が獅子を警護して一緒に巡る。
赤鬼・青鬼は、頭に御幣を付けており、その御幣は無病息災にご利益があるため人々はこれを奪う。
そこで鬼たちは割り竹をガラガラいわせて追い払うのである。
また夜の「堂廻り」は、弓張り提灯を持った子供を先頭に獅子頭を鳴らして進む。
午後8時ごろ宮入した獅子は、境内で「坪舞」を舞う。
「普通騎馬」「振り分け騎馬」「走り騎馬」の各騎馬が終わるごとに本堂を三周し、 最後は獅子方全員が本堂になだれ込み、「ばんざい」の叫びで終わる。
余談ながら、坪舞を「三騎馬」、普通騎馬だけの場合を「一騎馬」と呼ぶこともある。
獅子役の衣装の一つの、腰蓑は「ヘラ」の樹皮で作られており、入手が難しくなっている。
2010.10 池松卓成 記 |
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