<無形民俗文化財公開情報>

<名   称>柳島の十七夜(やなじまのじゅうしちや)

<種   別>八女市指定無形民俗文化財

<公 開 日>毎年1月17日

<公開場所>若宮神社の境内にある観音堂前広場(福岡県八女市大字柳島397番地)

<時   間>19:30~21:00

<駐 車 場>駐車場はない、公道での駐車もできない(パト巡回)

<カーナビ>柳島ふれあいセンター Tel. 0943-24-5919

<ト イ レ>仮設トイレあり

<問合せ先>八女市文化振興課、文化振興係 Tel. 0943-24-8163
 
(注意)公開場所や日時は変更になる場合があります 
   
<NIA取材記>


 取材は2020年1月17日(金)に行った。

観音堂は矢部川沿いにある。「高橋山望来寺祭日・あめがたまつり」の旗がなければ

分かりずらい。駐車場は全くない。路上駐車は厳禁となっており、パトが巡回している。

境内には9mほど高さの「ほっけんぎょう」が点火を待っている。

今までは地区が連番で造ったそうであるが、人手が足らず、保存会を作って、総出で準備している。

午後7時頃になると参観者が集まり出した。私もカメラ位置の選定にかかる。

「ほっけんぎょう」が点火されると、辺りは高温になる、またが風の向きで火の粉や煙が襲ってくる。

また、観音堂に灯されたロウソクの火で「ほっけんぎょう」に点火するとの事。

それらの条件を考えて撮影位置を考える。

定刻に点火。その熱で思わず観客は後ろに下がる。諮らずも、私は一番前で撮影することになった。

「あめがた」を買って帰ろうかと露店に行ったが売っていない。保存会が販売していた。

                                        2020年1月 池松卓成 記す   
  
 <柳島の十七夜の内容説明>

毎年1月17日の夜に、八女市柳島の観音堂(高橋山望来寺)の前で行われる祭りで、

「あめがた観音」「あめがたまつり」と呼ばれている。

伝えによると、800年ほど前に矢部川上流に黒木城があった。

城主の正室・春日局が側室との問題で、観音像を抱いて矢部川に身を投げた。

その観音像が、ここ柳島まで流れ着き、通りかかった飴型売りによって、冷たい川水から引き上げられた。

飴形売りは、「さぞ冷たかったろう」と、藁束を焚きつけて温め飴形をお供えしたという。

それ故に、十七夜の祭礼を「あめがたまつり」と呼ぶようになった。


境内には高さ9mほどの「ほっけんぎょう」が据えられている。昔は15mほどあったそうである。

昔は、祭典の主役は青年団だった。満十五才の「小若衆」が「新入り」になり、頭の指図で下働きをし、

正月早々から竹・松・わらなどを集めて夜業した.。


当夜はこの巨大な「ほっけんぎょう」に点火して この火で観音佛を温める行事を行う。

もとは旧暦の一月十七日夜半の十二時に点火されたが 現在は、点火時間も午後八時になつた

点火する時間になると、観音堂の燈明で「だまし」と呼ばれている1mあまりの「ほっけんぎょう」に点火する。

十分火が回ったところで、藁束2~3個に火を移し、「ほっけんぎょう」に点火する。

たちまち、すさまじい炎が「ほっけんぎょう」を覆いつくす。観衆は思わず数歩後ろに下がる。

「ほっけんぎょう」に点火したこのとき 頭は本尊をかかえ出してこの火で温めたと言う。

祭りの組織の在り方も次第に変化して本来の民俗的祭事が消えて 本尊を温める行事もいまは実施されていない。

ついでながら、水飴を煮詰めて、なんども白くなるまで引き延ばし、長方形に薄く切った飴菓子を「あめがた」と云う。

昔は露店で売り出していたそうだが、今は保存会が販売している。