<無形民俗文化財公開情報>

<名   称>田島神楽(たしまかぐら)

<種   別>福岡市指定無形民俗文化財

<公 開 日>毎年7第二土曜日
 
<公開場所>田島八幡社(福岡県福岡市南区田島4-6-29)

<時   間>17時30分~21時

<駐 車 場>神社に駐車場はない。近くに数台規模の有料駐車場がいくつかある。

 公道や空き地に駐車は不可能

<ト イ レ>神社にトイレあり

<問合せ先>福岡市教育委員会 Tel. 092-711-4655
 
(注意)公開場所や日時は変更になる場合があります 
   
<NIA取材記>


 取材は2018年7月14日(土曜)に行った。

昼頃に神社に到着したが駐車場がなく、あたりの有料駐車場を探してやっと駐車できた。

もっと遅い時間に到着していたら駐車は出来なくて、取材も不可能だったろう。

狭い境内には夜店も並び、夏祭りの雰囲気を醸し出している。

神社拝殿では、子供たちが太鼓の練習をしている。午後から太鼓の奉納があるそうだ。

神社の外景の撮影を終えたころ、子供たちの神輿が到着した。

50人ほどの祭り法被のいでたちと、立派な神輿は、夏祭りの由緒の正しさを物語っている

神楽は、約700年の前から奉納されていて、出雲系の神楽である。

演目は十一ほどあるが、中でも釣舞(つりまい)は舞手と参拝者が一体となる。

参拝者の群れの中に釣り糸を垂れると、人々は釣り糸の先に捧げ物を括り付ける習わしがある。

括り付けられた袋の中にはお菓子が沢山入っており、これを釣り上げ、中身を参拝者に投げ与える。

あちこちで歓声が上がり、神楽も終盤に入る。
                                                       
                                            2018年 池松卓成 記す   
  
 <田島神楽の内容説明>

 田島の歴史が開かれたのは千三百三十年と考えられている。田島神楽もこのころから奉納されていたとされる。

昔、田島の樋井川(ひいがわ)沿いに、薦ヶ渕(こもがふち)という深い渕があった。村人は干ばつになっても水が枯れないように

毎年、人身御供(ひとみごくう)を捧げて平穏を祈っていたという。これは、村人に憂いと恐れを抱かせる。

村人は話し合い、人身御供の代わりに踊りを奉納し祈願するという万年願をたてた。これが田島神楽の始まりである。

旧暦6月1日の「サナボリ」の祭り(田植終了後の祭り)で奉納されてきた。

田島神楽は、明治以前は神職以外では舞うことは許されない社家神楽(神職神楽)であった。

明治の神職世襲制度の廃止に伴い、社家神楽が禁止されたため、万年願の途絶えることを恐れた氏子が神楽奉納を継承した。

明治4年、田島八幡宮を勧請した船越家十一代の孫、武四郎を中心に神楽社が結成され今日に至っている。


「田島神楽由緒」にある演目は、21種ほどある。2018年度の演目は以下の11種であった。


(1)神供(じんぐう) 両手に榊葉と鈴を持ち、無病息災と家内安全を願い、幸あれと祈る。最初に演ずる舞神楽。

(2)御鬮(みくじ) 今年は豊作なのか凶作なのかを神の御心に占う舞。五穀豊穣を祈念する神楽。

(3)両刀(りょうとう) 両手に真剣を持ち 、四方を祓い清め、悪魔祓いをする舞。

(4)水鬼(すいき) 黒い鬼面を付け、手桶に入れた水を四方に打って、周囲を祓い清める神楽。

(5)高所(こうしょ) 祭神の御神徳を讃える舞神楽。神楽歌を謡曲調で歌いながら五穀豊穣を祈念する舞。、

(6)久米の舞(くめのまい) 今年は豊作なのか凶作なのかを神の御心に占う舞。五穀豊穣を祈念する神楽。

(7)問答(もんどう) 曲がったことを正しく直す翁が、災いを持ち込み荒ぶる鬼を追い払うまでを問答形式に神楽化したもの。

(8)天神(てんじん) 天地の神々を表す弓と矢を持ち、悪魔退散を祈願して、鏑矢を四隅に放つ神楽舞。

(9)猿女舞(さるめまい) 天孫降臨の場面を神楽にしたもの。

(10)釣舞(つりまい) 海の幸を預かるため、大海の中で悠々と魚を釣ろうしている情景を神楽にした舞。

(11)磐戸(いわと) 天岩戸神話を神楽化したもの。

ここにない演目を以下に書いておく。

祝詞、大幣、弓舞、剣舞、磯良、四神、大山、相撲、敷蒔、大蛇退治、湯塩式          以上