<無形民俗文化財公開情報>

<名   称> 大富神社神幸祭(おおとみじんじゃじんこうさい)

<種   別> 福岡県指定無形民俗文化財

<公 開 日> 毎年4月29日(汐かき)・4月30日(お下り)・5月1日(お上り)

<公開場所> 大富神社(福岡県豊前市大字四郎丸256)~住吉御旅所(福岡県豊前市八屋町八尋浜)

<ナビ> 大富神社 TEL 0979-83-3450

<時   間> 下記((大富神社神幸祭の内容説明)を参照されたし

<駐 車 場> 大富神社に駐車場有、住吉御旅所にも臨時駐車場有

 <ト イ レ> 大富神社の境内にある

<問合せ先>豊前市生涯学習課 ☎ 0979-82-1111
 
(注意)公開場所や日時は変更になる場合があります 
   
<NIA取材記>


取材は2018年5月1日に行った。

11時ごろ大富神社に着いた。別表神社で、勅使の為の手洗い井戸もあり格式が高い神社である。

一の鳥居は高さ15mはあろうか、とても大きい。

大富神社には人影が全くないので、お旅どころを訪ねていくことにした。

お旅どころは、正式には住吉御旅所という。車で10分はかかる。歩いていくには遠すぎる。

お旅どころには駐車場がないが、近くに臨時駐車場がある。

大船、山鉾、踊り車や露店でお旅どころ境内はいっぱいである。

三台の「踊り車」は町内をねり動き、着物を着た女性が舞っている。

やはり神幸祭は30日が本番である。

お旅どころに集まってくる山車は電飾で飾られているそうで、祭りは最 高潮になるそうだ。

取材日程が合わずに30日に行けなかったのは残念だった。

                                        2018年6月2日 池松卓成 記す 
  
 <大富神社神幸祭の内容説明>

 大富神社春季神幸祭の起源は、天平12年(740年)藤原四兄弟の一人、藤原広嗣が北九州に大乱を起こした際、

鎮圧軍の武将・紀宇麻呂(きのうまろ)が大富神社に戦勝祈願 をして出陣したところ、見事肥前(長崎県)の松浦で広嗣の首を挙げる事が出来た。

戦勝報告とお礼を兼ねて大富神社より住吉(旧八尋浜)まで凱旋行列を行い、この地に御輿の仮安置所を建立したのが初めとされ、

神幸行列はそれを模したものとされる。

大富神社春季神幸祭は「八屋祇園」とも呼ばれ、日本中でもっとも早くおこなわれる祇園祭である 。

毎年4月30日、この神幸行列が八屋(御輿の仮安置所)へ来られる事を「お下り」と呼び、

八屋地区では各々の山車を連ねてお迎えし「お旅所」へ従う。

お旅所は別名「神幸場」や「神事場」とも呼ばれる。

「エッサヤーレ」のかけ声とともに神幸行列や船型、山鉾、躍り車が八屋の町を練り歩く。

夕方、住吉御旅所へ次々と山車が到着し、祭りはク ライマックスを迎える。

5月1日には「お旅所」において「献饌祭」「岩戸神楽奉納」(隔年)「お田植祭」「ちの輪神事」などのお立ちの神事の後、

「お上り」として神幸行列は大富神社へ帰る。八 屋祇園はその後、各地区毎に帰途に就くが盛大に盛り上がりを見せる。

山車は三種七基あり、船型・山型・車型に分かれている。

船型は通称「大舟」と呼ばれ、「御船」とも呼ばれる。「住吉区」と「明神区」の二基ある。

近年までは交互に隔年奉納であったが、2001年より明神区は毎年奉納になり、隔年に二台奉納の年が出来た。

船はどちらも「住吉丸」の名があり神様をお迎えする山車内で位が一番高い。

囃子の音色は独特で重厚感があり地元民は勿論、観客にも最も喜ばれる。

形は他の祭りでは見られない関船の一種の「小早」が使われており仔細は判明して無いが戦船を用い た全国的に見ても稀な山車である。

もっとも大冨神社の祭神が「住吉大神」「八幡大神」「宗像大神」であるので、「海」に関係する「大舟」が山車の第一位に座 っていることは納得いく。

福岡県の無形民俗文化財に指定されている神幸祭で、旧4町村に跨り築上郡一帯でも最大級の祭りである。

同時に山田の感応楽も偶数年で奉納されている。 この感応楽は「国選択記録指定文化財」であり、この祭礼の中ではもっとも格が高いとされる。

行事の日時(2018年)は以下のとおりである

4月29日(汐かき)  12時~18時  各山車の汐かき 各町内回り

20時~ 大船(提灯船)各町内回り・山鉾二基(提灯山)前川~

4月30日(お下り)  12時~ 舟歌組(天狗そろい奉納)大富神社前・神輿本社お立ち 大富神社発

13時 大船(出発)上町~

14時~ 踊車三基(出発)上町~

16時~山鉾二基(出発)各公民館

16時過ぎ~各山車の中野四辻通過

17時~ 神輿御旅所着・舟歌組(泰平楽奉納)御旅所神前

19時~山鉾二基御旅所着

20時~踊車三基御旅所着

 21時~ 各山車全基(鐘の競演会) 神幸場

5月1日(お上り)  10時~ 献饌祭 御旅所神前・岩戸神楽奉納(大村神楽講)御旅所神前

12時~ 踊車三基御旅所発 神幸場

14時~ 御田植祭 御旅所神前・ちの輪神事 御旅所神前

16時~ 神輿御旅所発 神幸場・神幸行列出発 神幸場・大船・山鉾出発 神幸場

         17時~ 各山車八屋内回り帰着 各町内回り

19時~ 神輿本社お着 大富神社

<参考> 船型(明神区・住吉区)、山鉾(上野区・本町区)、踊り車(前川区・下町区・八幡町)